【9月20日 CNS】近頃、ネット出前サービス大手の美団(Meituan)と王興(Wang Xing)CEOを誹謗(ひぼう)中傷する違法サービスの定価表がインターネット上に流された。定価表には、個人名を表題に入れた文章:1本200元(約3000円)、攻撃文の転送:1回50元(約760円)、美団を表題に入れた文章:1本20元(約300円)などと書いてあった。

 美団の安全事務部によると、同社は江蘇省(Jiangsu)や山東省(Shandong)の公安機関と連動し、ネット上で同社とCEOに対し、悪意の誹謗中傷があったとして捜査。警察は容疑者10人以上の身柄を拘束し、検察に送った。

 美団以外にも、騰訊(テンセント、Tencent)、阿里巴巴(アリババ、Alibaba)など、多くの企業がネット上で違法な誹謗中傷を受けているという。

■客の敵を攻撃するビジネス

 「インターネット黒社会(訳:反社会勢力)」「インターネット刺客」「スパマー(水軍)」などと呼ばれる違法行為の目的は「客から金をもらって客の敵を抹殺する」ことだ。客の指示により、大量に集中書き込みを行い、世論をつくり上げ、競争相手の名誉を毀損(きそん)することが目的だとされる。

 近年、ネット上の違法な誹謗中傷は、少数の個人によるものから、次第に巨大なビジネスへとなりつつある。

 江蘇省塩城市(Yancheng)の警察は2017年2月、「ネット水軍」メンバーが頻繁に小型のウェブサイトで誹謗中傷の情報を発信していることを把握。大型のウェブサイトでも情報をフォローさせ、大量の悪意のある書き込みを行っていた。3人のメンバーの身柄を拘束した塩城警察は、事件の背後に北京の広告代理店が絡んでおり、さらに別の企業が「ネット水軍」を組織していたことを突き止めた。

 専門家によると、この種のネット固有の犯罪は「コストが安く、取り組み易い」「影響範囲が広い」「証拠を残さない」などの特徴があるため、犯罪者に乗ずる隙を与えているという。(c)CNS-法制日報/JCM/AFPBB News