【9月18日 AFP】ロシアのシベリア(Siberia)地方にある、旧ソ連時代に生物兵器施設として使用されていた建物で16日、爆発が発生し、火災が起きた。この施設には、エボラ出血熱と天然痘ウイルスの試料が保管されているが、当局は汚染の恐れはないとしている。

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 爆発があったのは、同国で3番目に人口が多いノボシビルスク(Novosibirsk)郊外にある国立ウイルス学・バイオテクノロジー研究センター(Vector)。世界で2か所のみとされる、天然痘ウイルスを保管している施設の一つ。

 ロシア消費者権利保護・福祉監督庁(Rospotrebnadzor)によると、ガスボンベが爆発して出火し、施設の職員1人が負傷。

 ガラスが割れる被害はあったものの、建物の構造自体に影響はなく、爆発があった室内にはバイオハザード(生物災害)をもたらすものはなかったとしている。

 当局はメディアに対し、同日中に鎮火したと発表した。

 同国では今年に入り、国の施設で爆発が相次いで発生している。先月には、シベリアにある弾薬庫で火災が発生して激しい爆発を引き起こし、1人が死亡、大勢が避難を余儀なくされた。

 また同月、極北のミサイル実験場でも爆発があり、原子力企業の研究員5人が死亡し、放射線量の急上昇を招いた。これについて当局は、詳細の発表を拒否。またウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、実験後に放射能の「脅威はない」と述べていた。(c)AFP