【8月13日 AFP】ロシア極北で先週発生したミサイル実験場での爆発事故をめぐり、連邦気象当局は13日、近隣の町で放射線レベルが一時は基準値より最大16倍まで上昇したと発表した。

 ニョノクサ(Nyonoksa)実験場で8日に発生した爆発では、国営原子力企業ロスアトム(Rosatom)の科学者5人が死亡。同社は後に、5人が新兵器の実験に関わっていたことを認めた。負傷者も複数おり、病院に搬送された。

 同国の水文気象環境監視局(Rosgidromet)は、同実験場から約30キロ離れたセベロドビンスク(Severodvinsk)の町内に設置された複数のセンサーで、基準値の4~16倍に達するガンマ線が記録されたと発表。

 同局によると、セベロドビンスク内の8か所にあるセンサーのうち6か所で、放射線レベルが基準値を上回り、正常に戻ったのは2時間半後だったという。

 このうち1つのセンサーでは、1時間当たり1.78マイクロシーベルトを示した。同域の平均値よりは高かったとはいえ、危険レベルに比べればずっと低かったとしている。

 ロスアトムは、職員らがミサイルの「放射性同位体供給源」に関するサポートを行っていたところ、爆発により実験場から海に吹き飛ばされたと説明していた。

 米国の専門家らは今回の事故について、今年に入りウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が称賛していた原子力推進式巡航ミサイル「9M730ブレベストニク(9M730 Burevestnik)」に関連しているとみている。

 ドミトリー・ペスコフ(Dmitry Peskov)大統領報道官は13日、事故と同ミサイルの開発計画との関連性については認めなかったものの、核ミサイルの領域におけるロシアの研究開発は「他諸国の到達レベルを大きく超えており、他に類を見ない」と述べた。(c)AFP