■石油依存

 石油は今も湾岸諸国にとって生命線となっており、同地域全体の収入の70%以上を占めている。その一方で、太陽光発電や原子力発電を中心とするクリーンエネルギー事業に対しても多額の投資が行われている。

 UAEのドバイは136億ドル(約1兆4700億円)を投じ、世界最大の太陽光プロジェクトを立ち上げた。2030年に稼働すれば、UAEの現在の電力需要の4分の1を満たすことになる。

 だが、石油への依存を断ち切ることは難しいと専門家らは指摘する。特に、石油供給が豊富にあることや、再生可能エネルギーに移行するため巨額のインフラ投資が必要となることなどが、こうした地域に二の足を踏ませているという。

 国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)中東支部のジュリアン・ジュレイサティ(Julien Jreissati)氏は、「有害な化石燃料から再生可能エネルギーへの世界的移行は、経済的にも技術的に実現可能だ。足りないのは、政治的意思だけだ」と指摘する。

 過去10年間で重要な技術的進歩があったにもかかわらず、世界の電源構成のうち再生可能エネルギーが占めるのはわずか18%前後にすぎない。原発は6%に上る。

 世界エネルギー大会を主催する世界エネルギー会議(World Energy Council)によると、世界全体のエネルギー需要は2020年から2025年の間にピークに達する。アブダビの会議では、「破壊的な」技術革新によりエネルギー源の移行を加速すべきだとの声が上がった。(c)AFP/Omar Hasan