【9月6日 AFP】ますます競争力を高める風力や太陽光といった再生可能エネルギーは、この10年間で世界の発電容量が4倍になったが、飽くなき需要のために炭素排出量も10%増加した。国連(UN)が5日、発表した。

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 国連の再生可能エネルギーの動向に関する年次報告書によると、2009年から2019年末までの世界の再生可能エネルギーへの投資額は、太陽光パネル価格の「劇的な」下落に大きく後押しされ、2兆6000億ドル(約278兆円)に上る見込み。

 太陽光、風力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギーの世界の発電容量は、2009年には414ギガワットだったが、2019年には1650ギガワットに増強され、今や全発電量の12.9%を占めるまでになった。

 世界の発電容量は2300ギガワット以上増強されたが、最も増強量が大きかったのは太陽光で、石炭やガスなどの化石燃料を上回った。

 しかし、カーボンフリーな太陽光と風力の急伸にもかかわらず、発電による炭素排出量は増加し続け、世界の人間活動に伴う温室効果ガス排出量は2018年に過去最多を記録した。

 太陽光発電による電力の価格は2009年比で81%下落し、陸上風力発電による電力も同年比で46%下落した。

 報告書によると、2018年には再生可能エネルギーのおかげで、二酸化炭素排出量200億トン相当が抑制された。(c)AFP / Patrick GALEY