【9月13日 AFP】米カリフォルニア州の沖合で2日未明にスキューバダイビング船「コンセプション号(Conception)」が炎上・沈没し、34人が死亡した事故で、火災発生時には乗組員6人全員が眠っていたことが、12日発表の米運輸安全委員会(NTSB)の初期報告書で明らかになった。

 NTSBは「火災発生時、乗組員のうち5人は操舵(そうだ)室後方の寝台で寝ており、残る1人は仮眠室で眠っていた」と報告している。

 NTSB委員のジェニファー・ホーメンディ(Jennifer Homendy)氏は、火災を起こしたダイビング船について「連邦法に基づけば、全長75フィート(約23メートル)のコンセプション号は夜間の見張り1人を配置し、火災や事故などに備えていなければならなかった」と米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)に指摘した。

 NTSBの報告書によれば、午前3時15分ごろに物音で目覚めた乗組員1人が火災に気付き、他の乗組員に急報。船長が米沿岸警備隊(US Coast Guard)に救助を要請した。操舵室後方にいた乗組員5人は、乗客33人と仲間の乗組員1人が眠っている下甲板にどうにか行こうとしたが、窓を開けることができず煙に巻かれて船外に飛び出したという。

 その後、乗組員2人と船長が泳いで船尾に向かい、船内に戻ったが、犠牲になった34人の元にたどり着くことはできなかったという。(c)AFP