【9月2日 AFP】米国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の海軍による初の合同訓練が2日、タイのサッタヒープ(Sattahip)海軍基地で始まる。日程は6日までの5日間で、訓練は中国が領有権を主張する南シナ海でも行われる。

 南シナ海の領有権をめぐってはブルネイ、マレーシア、ベトナム、フィリピンといった東南アジアの国々と中国との緊張が続いており、米国も東南アジア地域への関与を強めている。

 在タイ米大使館によると、米海軍とタイ海軍が共同で指揮を執る合同訓練は「タイ湾や南シナ海を含む東南アジアの公海」で行われ、シンガポールで終了する。

 合同訓練にはASEAN全加盟国10か国が参加し、船の捜索・拿捕(だほ)などの訓練を行う。訓練にはミャンマー海軍も参加しているが、イスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)をめぐる問題で同軍の幹部らに米国が制裁を科しており、異例の参加には非難の声も上がっている。

 ASEAN加盟国はベトナムが領有権を主張する海域に中国の調査船がとどまっていると指摘しており、米国防総省は先週、中国政府が「インド太平洋地域の国際秩序を乱している」と非難した。(c)AFP