中国船が当て逃げか、南シナ海でフィリピン漁船が沈没 中比が舌戦
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【6月14日 AFP】フィリピンや中国などが領有権を争う南シナ海(South China Sea)で9日、リード堆(フィリピン名:レクト環礁、Reed Bank)近海に停泊していたフィリピン漁船が中国のものとみられるトロール船に衝突され、沈没する事故があった。トロール船は沈没した漁船の乗組員22人を救助せずに逃走したが、22人は付近を航行していたベトナムの船舶に全員無事、救助された。フィリピン国防省が12日、明らかにした。
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この事故について中国外務省の耿爽(Geng Shuang)報道官は13日、「一般的な海上交通事故」との見方を示し、現在も詳細を調査中だと述べた。
しかしフィリピン大統領府は、フィリピン漁船の乗組員を見捨てるとは「野蛮」だと中国船乗組員らを非難。デルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)国防相も「臆病な行為だ」と批判した。
ただ、公式には当て逃げをしたトロール船が中国船籍だったとは確認されていない。
このため、耿報道官は「事実を立証もせずに衝突事故を政治化するとは無責任だ」とフィリピンを批判した。
一方、フィリピン大統領府は、沈没するフィリピン漁船から乗組員たちを救助したベトナム漁船の乗組員に対しては謝意を示している。(c)AFP