【8月29日 AFP】27日に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)男子シングルス1回戦の試合後に、ニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が男子プロテニス協会(ATP)は「腐っている」と発言したことをめぐり、ATPが調査を開始した。キリオスの発言が、重大な規定違反に当たる可能性があるという。

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 キリオスの新たな問題発言があったのは、28日未明に終わったスティーブ・ジョンソン(Steve Johnson、米国)戦後、前哨戦のウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2019)での問題行為でATPから合計11万3000ドル(約1200万円)の罰金を科されたことについて質問が及んだ時だった。

 この試合に6-3、7-6(7-1)、6-4で勝利したキリオスは、今回の罰金処分が全米オープンに臨むに当たって懸念になるかと問われると「いや、全然」「そもそもATPは腐っているし。まったく気にならない」と答えた。

 この発言を受け、ATP側は調査を行うと28日に発表。ATPの規則と競技を統括するゲール・デビッド・ブラッドショー(Gayle David Bradshaw)氏が、決定を下すとコメントした。

 そしてキリオス本人は28日午後、自身のツイッター(Twitter)への投稿で「ATPが腐っているとコメントしたことについて明確にしたい。適切な言葉の選択ではなかった。あの発言の意図は、腐っているということよりも、自分が目にしているダブルスタンダードについて話すことだった」と釈明している。

「自分の行為がしばしば物議を醸し、結果として首を絞めていることがあるのは理解している。それに対する対応が当然で妥当な時もある一方で、自分と同じような行為をした選手に対するメディアの注目度に違いがあるのではないかといったことや、そもそも処分が科されていないといったことが、訴えたい点だ」

「自分が完璧でないのは自覚しているし、あたかも完璧であるかのように振る舞うつもりもない。罰金や処分が妥当だったことがあるのも理解している。しかしながら、自分はこうしたことについて全面的な一貫性と公平性を期待しているが、そうなっていないというのが現状だ」 (c)AFP/Jim SLATER