【8月25日 AFP】26日に開幕する全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2019)では、昨年大会で騒動となった大坂なおみ(Naomi Osaka)対セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)の女子シングルス決勝を担当したカルロス・ラモス(Carlos Ramos)主審が、セレーナとヴィーナス(Venus Williams、米国)のウィリアムス姉妹の試合を担当しないことが決まった。

 前回の決勝で、ラモス主審は客席に座るコーチから身振りでコーチングを受けていたとしてセレーナに警告を与えると、さらにラケットを壊したことで1ポイント、「うそつき」や「盗人」といった主審への暴言で1ゲームを没収した。「もう二度と私の試合を裁かないで」とラモス主審に叫んでいたセレーナは、大会責任者に抗議したが実らず、試合は大坂が6-2、6-4で勝利を収めた。

 全米テニス協会(USTA)のステイシー・アラスター(Stacey Allaster)会長は、「この判断はわれわれの総意」「大会そのものに集中したい」とコメント。大会レフェリーのソレン・フリーメル(Soeren Friemel)氏は、「一部の試合を任せない方が大会や選手、主審のためになるという判断は、今回が初めてではない」「われわれの目的は、最高の審判を適切な試合に配置すること。それらを総合的に判断して、彼にはウィリアムス姉妹の試合から外れてもらうことにした」と話した。

 ただし、フリーメル氏は「カルロスは他の四大大会(グランドスラム)でも試合を担当している」「(国別対抗戦の)デビスカップ(Davis Cup)やフェドカップ(Fed Cup)も担当してきたし、今年はデビスカップの決勝ラウンドも受け持つ予定だ。注目試合の主審としては引き続き候補に入っている」と話し、有名選手同士の試合から完全に外れるわけではないことを明かした。

 ブーイングが起こった昨年の表彰式で「こんな終わり方になってごめんなさい」と発言し、涙を流すセレーナになぐさめられる「ほろ苦い」経験をした大坂は、またラモス主審に当たったらどう思うかという質問に対して、こう答えている。

「どの審判が好きじゃないとかは絶対に言わないし、これからも言うつもりはない。あまり担当してほしくない人がいたとしても、名前を出すことはない。誰になったとしても受け入れて試合をするだけ」 (c)AFP/Jim SLATER