【8月19日 AFP】インド政府がパキスタンと領有権を争うカシミール(Kashmir)地方のインド側、ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州の自治権を剥奪してから2週間で、少なくとも4000人が「公安法(PSA)」に基づき逮捕・拘束されたことが分かった。現地の県長官が匿名でAFPに明らかにした。

 公安法は、起訴や裁判の手続きを行わずに最長2年間まで容疑者の勾留を当局に認めており、問題視されている。

 AFPの取材に応じた県長官によると、拘束された人々の「大半は、州内の刑務所が定員を超過していることから、州外に移送された」。州内では当局によって通信回線が遮断されているため、支給された衛星電話で州内各地の逮捕・拘束者の情報を聞き取り、集計したという。

 当局は、自治権剥奪後の数日間で地元政治家や活動家、学者100人以上を拘束したことは認めたものの、これまで拘束した人数の総計の公表は一貫して拒否している。

 カシミールの「平和が侵害される」ことを避けるため「少数の予防拘禁」を実施したというのが当局の主張だ。拘束された人の中には、メボバ・マフティ(Mehbooba Mufti)元州首相とオマル・アブドラ(Omar Abdullah)元州首相も含まれているという。(c)AFP/Parvaiz BUKHARI