【8月12日 AFP】パキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相は11日、イスラム教徒が多数を占めるカシミール(Kashmir)地方に広がるインドのヒンズー国家主義について、国際社会は傍観するのかと問いただし、この様子をナチス・ドイツ(Nazi)のアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)への譲歩になぞらえた。

 インド政府は先週、ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州から同国支配下で長年にわたり付与されていた自治権を剥奪し、政府の直轄にすることを決定。印パ両国が領有権を争うカシミール地方をめぐる緊張が高まっている。

 こうした中カーン首相はツイッター(Twitter)に憤りをあらわにし、「ヒンズー至上主義のイデオロギーは、ナチスのアーリア人至上主義のように(カシミールで)止まらない」と指摘。この動きを「ヒトラーの生存圏(Lebensraum)のヒンズー至上主義版」と呼び、その行き着く先は「インドにおけるイスラム教徒の弾圧であり、最終的にはパキスタンを標的とするだろう」と述べた。

 カーン氏は「この試みはカシミールの人口動態を民族浄化で変えることだ」と非難。「問題は、ミュンヘンでのヒトラーの時のように、世界は傍観し譲歩するのかだ」と問いただした。(c)AFP/Nasir JAFFRY