【12月14日 AFP】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール(Kashmir)地方で、散弾銃による被害を受けた1歳8か月の幼児の目から金属片を除去する手術が行われた。衝突が絶えない同地方ではこの散弾銃の使用が物議を醸しており、幼児が負った痛ましい傷が問題を改めて浮き彫りにした。

 手術を受けたのは、ヒバ・ジャン(Hiba Jan)ちゃん。手術を担当した外科医らは、被弾した方の目で物が見えるようになるのかどうかはまだ分からないとしている。

 イスラム教徒が大多数を占めるカシミール地方では、インドによる支配に抗議するデモが暴力行為に発展することが多い。

 大規模な反インドの抗議デモと政府軍との衝突で100人以上が死亡した2010年、インド政府は「非致死性」だとして12ゲージ散弾銃を正式に導入した。

 ヒバちゃんが重傷を負ったことで、市民に対し散弾銃が依然使用されていることが明らかになった。
 
 2017年以降の政府統計によると、散弾銃により8か月のうちに13人が死亡。負傷者は6000人以上に上り、うち800人近くが目に損傷を負ったとされる。

 カシミールでは1989年以降、インドの支配に反発する暴動により、市民を中心に数万人が命を落としている。特に今年は既に2009年以降最多となる500人以上が死亡している。(c)AFP