【8月17日 AFP】男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は16日、自身がテニス界において二重基準の犠牲者であることを示すために、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との確執を再燃させた。

 気性の荒いことで知られるキリオスは、14日に行われたウェスタン&サザンオープン(Western & Southern Open 2019)の男子シングルス2回戦でファーガス・マーフィー(Fergus Murphy)主審に暴言をはいた揚げ句に唾を吐きかけようとしたなどして、合計11万3000ドル(約1200万円)の罰金処分を科された。

 この試合でキリオスは、ラケット2本を破壊してコードバイオレーションを取られ、サーブに時間をかけすぎたとしてタイムバイオレーションもコールされると、マーフィー主審を「くそばか野郎」呼ばわりして攻撃した。

 ところが16日になって、24歳のキリオスは自身のインスタグラム(Instagram)アカウントに二つの映像を比べた動画を投稿。一つはカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)に敗れた問題の試合で自身のサーブ時間が28秒22だったことを示す映像で、もう一つは前週のロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2019)決勝で、ナダルがダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev、ロシア)にサーブを放つまでに41秒かけたことを示す映像となっていた。

 キリオスが「キリオスとナダルの両者にアドバンテージの場面」と題し、「これを見てみると…」とテロップを添えたこの動画は、グリニッジ標準時(GMT)16日午後7時30分(日本時間17日午前4時30分)の時点で再生回数が16万を超えていた。

 14日の試合で負けた際に、キリオスはマーフィー主審に対して、「ショットクロック」をカウントし始めるのが早すぎたと主張し、「ラファのプレーがそんなに速いとでも言うつもりか?」と問いかけると、「ラファのプレーがそれほど速いというなら、俺はテニスを引退する」と言い放った。

 キリオスとナダルは、7月に行われたウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)の2回戦で激突し、試合は互いに敵意むき出しにする展開となった。このときキリオスは、プレーのペースが遅いナダルに警告を出さなかった審判に対し、「恥さらし」で「情けない」と批判した。(c)AFP