【8月17日 AFP】米ニューヨークのマンハッタン(Manhattan)で16日朝、不審物が3つ相次いで見つかり、ラッシュアワーの最中だった市内に2時間にわたり緊張が走った。不審物はいずれも、空の炊飯器であることが判明した。

 警察によると、同市地下鉄のフルトンストリート(Fulton Street)駅で午前7時(日本時間同日午後8時)ごろ、駅構内に放置されていた炊飯器を乗客が発見。同駅は2001年9月11日の同時多発攻撃で崩壊し再建されたワールドトレードセンター(WTC)に近い。

 その後、駅内の別の場所で2つ目の炊飯器が見つかった。駅では直ちに避難措置が取られ、地下鉄2線が運転を見合わせ、他の線の電車も同駅を迂回して運行。さらに、同駅の北にあるチェルシー(Chelsea)地区の16丁目でも3つ目の炊飯器が見つかった。

 チェルシー地区では2016年9月、手製の爆発装置が入った圧力鍋が爆発して31人が負傷する事件が発生し、2001年の同時多発攻撃を最後に襲撃事件が起きていなかったニューヨークにパニックを引き起こした。同事件ではイスラム過激思想に同調していたアフガニスタン生まれのアハマド・カーン・ラヒミ(Ahmad Khan Rahimi)被告が終身刑を言い渡された。ラヒム被告は、マンハッタンとニュージャージー州の各地に複数の爆弾を仕掛けていたが、被害をもたらしたのはうち1個だけだった。

 ニューヨーク市警(NYPD)で情報収集・テロ対策を担当するジョン・ミラー(John Miller)副署長によると、フルトンストリート駅で見つかった炊飯器2つは、同じ男がショッピングカートから取り出し、設置する様子が防犯カメラに捉えられていた。当局は現在、この男の行方を追っている。ミラー副署長は、3つ目の炊飯器が駅で見つかった炊飯器2つと関連があるかどうかは不明だが、炊飯器は3つとも同じモデルだったと述べた。(c)AFP