【8月16日 AFP】「フランスのスパイダーマン(Spiderman)」との異名を持つフリークライマー、アラン・ロベール(Alain Robert)さん(57)が16日、大規模デモにより例を見ない混乱が続く香港の超高層ビルに登って「平和の旗」をつり下げた。

 世界各地の高層ビルを無許可で登ってきたロベールさんは16日朝、蒸し暑い気候の中で、香港島の金融中心地にそびえる長江センター(Cheung Kong Center、68階建て)を軽々とよじ登った。その途中でロベールさんは、香港の旗と中国国旗が一つになり、2つの手が握手しているイラストの垂れ幕をビルからつるした。

 これに先立ち、ロベールさんは今回の挑戦について、「香港の人たちと政府の間に平和と話し合いが必要だということを、緊急に訴えたかった」との声明を発表。自身の行為が「緊張を和らげ、笑顔をもたらすことができれば」とコメントしていた。

 だが、ロベールさんの試みに感銘を受けた人は多くなかった。オーストラリアを拠点とする中国出身の反体制派アーティスト、巴●草(バーディウツァオ、Badiucao)氏は、「殺りく者である独裁者たちと握手する気になれるなんて、本当に思っているのか」と自身のツイッター(Twitter)で批判。ほかのSNSでも「これは、外国人の多くが香港と中国との間の根本的な問題を理解していないことの表れだ」との投稿も見られた。(c)AFP

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