【8月1日 CNS】中国・農業農村部と市場相場プラットフォームの「卓創資訊(Sublime China InformationSCI)」が共同で調査したデータによると、2019年第30週(7月22~26日)の16省及び直轄市における赤身未加工豚肉の工場出荷価格の週間平均値は、1キロ当たり25.34元(約399円)で前年同期比で43.1%増となった。現在の豚肉価格は2013年以来、最高となっている。

■値上がりの原因はアフリカ豚コレラ(ASF)のまん延による供給減少

 通常、夏は豚肉販売のオフシーズンで価格は下がるのだが、今年は逆に上昇している。豚肉の専門家である王亜男(Wang Yanan)氏は「主な原因は豚の供給量の減少だ。アフリカ豚コレラの発生からもう1年近くたつが、一部の地域においては、繁殖可能な雌豚が大幅に減ったため、豚の供給量が減り、豚肉価格がおのずと上がってきた」と説明する。

 農業農村部の市場情報部門の責任者、唐珂氏によると、豚肉価格の上昇は、アフリカ豚コレラの影響だとしている。昨年10月に、農業農村部が調査した400の県における繁殖可能な雌豚の数は同期比で5.9%減と警戒ラインである5%を超えていた。その後、減少率は月を追って大きくなり、6月になると前年同期比で26.7%減となった。

 養豚の生産周期では、雌豚の妊娠から子豚の肥育・出荷まで10か月が必要だが、昨年10月の養豚生産力の減少は、今年の6~7月の生豚供給量の減少につながり、価格が連続で上昇するに至っているとしている。

■豚肉価格は今後も上昇する見通し

 王氏によると、「生産力は落ち込んでいる。行政的に奨励策などを出して挽回する必要があるが、肝心の養豚を再開したいと希望する農家が多くないので、奨励策がうまく機能するかは観察が必要だ」という。

 養豚の生産力が回復できない場合、年内の豚肉価格の変動はどうなるか。唐珂氏は「今年の後半は猪肉の需給バランスは悪化を続け、豚肉の価格は上昇し続けるでしょう」と予測している。(c)CNS/JCM/AFPBB News