【8月1日 CNS】中国・海南省(Hainan)の海南熱帯野生動植物園(Hainan Tropical Wildlife Park and Botanical Garden)では、パンダ、シベリアトラ、キリンといった暑さに弱い動物たちの夏バテ対策が始まった。クーラーのほか、シャワーやプール、日よけの幌、氷ケーキまで用意する。

 四川省(Sichuan)の中国ジャイアントパンダ保護研究センター(China Conservation and Research Center for Giant Panda)から昨年11月にやって来た兄弟パンダの貢貢(Gong Gong)と舜舜(Shun Shun)は、海南島に初めて定住するパンダだ。2頭にとって、海南島で夏を過ごすのは今年が初めて。

 2頭は炎暑に適応できているのか? しかし、実際は、貢貢と舜舜はクーラーの利いた室内で竹をかじったり、ゴロゴロしたりで、一歩も外に出たがらない。ネットではやりの「肥満オタク」のようだった。

 同園で技術主任を務める呂さんの話では、パンダ舎は部屋から展示スペースまで全体が地元の火山岩で造られ、冬は暖かく夏は涼しい。外側の展示スペースにはプールもあり、水浴びもできるという。内側の展示スペースでは、8台あるクーラーを全部動かして室温を22度以下に保っている。

 飼育員が毎朝、定刻にゲートを開け、パンダたちを部屋の外に連れ出して運動をさせるが、1時間運動したらまたクーラーの利いた部屋に連れ戻す。呂さんの話では、貢貢は食べるのが大好きで、舜舜の方は運動好き。貢貢も舜舜も今育ちざかりで、同園に来たばかりの頃に比べ30キロ以上体重が増えているという。

 ひどく暑い時には、パンダのため特別に氷ケーキを準備する。氷ケーキは2段構造で、下の段はスイカ汁を固めたもの、上の段にはパンダが好きなリンゴ、ブドウ、ササが入っている。

 もしも異常な温度になった時には、事前に凍らせておいた大きな氷の塊をパンダの周りに置くという。パンダは大きな氷にまたがって、遊びながら涼むことができる。

 園の職員たちは、それぞれの動物の習性に合せて、涼をとる方法を工夫している。「暑さ対策は園の基本の仕事になっています。各種の人工的な方法で、動物たちの元の生息環境に近づけて、快適に過ごせるようにしています。今のところ、園では動物が暑さでダウンしたことはありません」と呂さんは話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News