【7月25日 CNS】中国・河南省(Henan)輝県市(Huixian)の路子寛(Lu Zikuan)君(11)は、病気の父親に骨髄移植をするため、体重を増やしてきた。体重はついに今年3月の30キロから50キロに達し、移植の条件を満たした。各地から寄付も寄せられ、初期の手術費用も集まった。18日、子寛君は父親と一緒に北京へ出発。「お父さんが健康を取り戻したら、自分は体重を減らし、学校に戻ってしっかり勉強したい」と将来への希望を語った。

 子寛君の父親、路炎衡(Lu Yanheng)さんは、7年前に骨髄異形成症候群を患った。ずっと薬を飲んで体調を維持してきたが、 2018年7月から薬は完全に効果がなくなり、体の状況は悪化し始めたため、医師は骨髄移植を勧めた。その後、11歳の子寛君が最も適したドナーであると分かったが、当時の体重はわずか30キロ。移植に必要な条件は50キロ。そのため子寛君は今年3月から、食事の量を無理やり増やして「太ってお父さんを救う」ことを始めた。そして体重が50キロに達し、一家は治療のため北京へ出発した。

 過去7年間、炎衡さんの病気を治療するため、一家は高い借金をした。父親は家族に申し訳ない気持ちを抱いてきたが、今は希望も芽生えてきた。「家族に幸せな生活を送ってもらいたいのに、私の病気でみんなの生活がひどく圧迫され、本当に申し訳ない。病気が治れば、私はどんな困難でも乗り越えられる気がします。将来には希望をいっぱい持っています」

「太ってお父さんを救う」という子寛君の思いと行動が報道されると、多くの市民や慈善団体から声援と寄付が寄せられた。「中国新聞社(China News Service)のおかげで、7月10日の報道からの7日間で、全国各地の方々が息子を励まし、私の病状を心配してくれました。私たちはすでに90万元(約1411万円)以上の寄付をもらいました。手術の初期費用には十分です」と炎衡さん。治療と術後の回復が順調なら、この寄付で十分だという。「病気が治ってお金が少しでも残れば、私と似た状況にいる人々に寄付をしたい。彼らも同じように治療のためにお金が必要でしょうから」と話す。

「前はとても不安だった。僕は太ることができたけど、手術に必要なお金がまだ足りなかった。お金が十分になったので、やっとお父さんを救うことができます」。今も父親を看病するかたわら自習を続けている子寛君。「お父さんが健康になったら、学校に戻り、しっかり勉強したい。将来は社会に恩返しをして、困っている人々を助けたい」と目を輝かせた。(c)CNS/JCM/AFPBB News