【7月17日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、マイノリティー(少数派)の民主党女性下院議員4人を批判した自身の発言が人種差別に当たるとの見解を否定し、「私には人種差別の気質はない」と述べた。

【写真】トランプ氏による批判の矛先となっている女性議員4人

 トランプ大統領は14日、ツイッター(Twitter)への連続投稿で、ヒスパニック系、アラブ系、ソマリア出身、アフリカ系の議員4人に対し、出身国に「帰る」ことを提案していた。批判の矛先となったのはアレクサンドリア・オカシオコルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)、ラシダ・タリーブ(Rashida Tlaib)、イルハン・オマル(Ilhan Omar)、アヤンナ・プレスリー(Ayanna Pressley)の4議員で、うちオマル氏を除く3人は米国生まれ。

 民主党指導部はトランプ大統領の投稿を厳しく非難し、4議員を擁護。民主党が議席の過半数を握る下院では間もなく、トランプ大統領の「排外主義的なツイート」を非難する決議案の採決が行われる予定だ。

 一方のトランプ大統領はツイッターで、女性議員らに関する自身の扇情的な発言を擁護。16日に予定されている「いわゆる採決」を「民主党の信用詐欺」と一蹴し、自身が所属する共和党の議員らに対し「『弱み』を見せて民主党のわなにかかったりしないように」と警告した。さらに、「あのツイートは人種差別的ではない。私には人種差別の気質はない」と書き込んだ。

 トランプ大統領の4議員に対する繰り返しの攻撃は、2020年の次期米大統領選を前に、主に白人からなる自身の支持層を沸き立たせるとともに、人種間の緊張を引き起こし、政敵の間に分裂を生む狙いがあるとみられる。(c)AFP/Jerome CARTILLIER