【7月16日 AFP】イタリア警察は15日、極右過激組織に対する捜査をきっかけに実施した家宅捜索で、空対空ミサイルや機関銃、ロケット弾発射装置を含む大量の武器を押収したと発表した。当局は、これほどの規模の武器押収は前例がほぼないとしている。

 警察は、ネオ・ファシズム政党「新しき力(Forza Nuova)」から選挙に出馬した過去のあるファビオ・デルベルジョーロ(Fabio Del Bergiolo)容疑者(50)を含む3人を逮捕。同容疑者の自宅を捜索した結果、大量の武器に加え、ネオナチ(Neo-Nazi)のプロパガンダやアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)関連の品を発見した。

 警察は、押収された重さ245キロのマトラ(Matra)社製ミサイルについて、「完全に使用できる状態で、カタール軍により使用されていた」と説明。さらに、「最新世代」のアサルトライフルも発見された。

 イタリアメディアによると、ミサイルは長さ3.54メートルのフランス製で、デルベルジョーロ容疑者は47万ユーロ(約5700万円)で売却しようとしていた。

 警察は、ミサイルには「爆薬は入っていなかったが、この分野に詳しい人であれば再兵器化が可能」な状態だったと説明。ただ、テロ対策担当官のエウジェニオ・スピナ(Eugenio Spina)氏によると、武器を使用する計画が進んでいたことを示す情報は「今のところない」という。

 今回の捜索は、ウクライナで親ロシア派の反政府武装組織と戦っていたことが分かっているイタリアの過激派組織に対する捜査が引き金となった。(c)AFP/Ella Ide