【7月14日 AFP】女子テニスのセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)が、セレブのような振る舞いや平等の訴えよりもテニスに集中すべきと苦言を呈した同胞の女子テニス界のレジェンド、ビリー・ジーン・キング(Billie Jean King)氏に対して、平等を求める闘いをやめるつもりはないと反論している。

 キング氏は、13日に決勝が行われたウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2019)女子シングルスを見て、自分の考えが正しかったと思っているかもしれない。ウィンブルドン決勝で、セレーナは2-6、2-6でシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)に完敗。これまで10回対戦して9回勝利していた相手に、わずか1時間足らずで敗れ去った。

 自身も若い頃から女子選手に対する差別と闘ってきたキング氏だが、大会中には英BBCの番組で、セレーナはこれから数年はテニスに集中し、子育てやブランド経営、男女平等と人種平等に向けた闘いはスタッフに大部分を任せてもいいのではないかと発言。「ばかなまねはよして」、セレブになるのは諦めた方が良いと促していた。

 しかし、そのことについて会見で質問されたセレーナは、「平等や、私たちと似た姿の人たちのための闘いをやめるとき、それは私が墓に入るとき」と話している。

 キング氏もツイッター(Twitter)で「平等を求める闘いをやめろとは一度も言っていない」「セレーナはあらゆる活動を通じて、何のために闘うべきかを私たちに教え、全員の平等の実現を目指している」と反応している。

 プレー面に目を移すと、37歳のセレーナが四大大会(グランドスラム)決勝で敗れるのは、この1年で3回目となる。

 今回も、アンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)に敗れた昨年のウィンブルドン、また感情を乱して大坂なおみ(Naomi Osaka)に敗れ、試合後にセラピーを受診したことも明かした全米オープン(US Open Tennis Championships 2018)に続いてタイトルは獲得できず、出産後の目標に掲げているマーガレット・コート(Margaret Court)氏のグランドスラム最多24勝の記録に並ぶ日はまたしてもやってこなかった。

 悔しい敗戦を喫したセレーナだが、それでも記録達成が難しくなりつつあるという考えを受け入れるつもりはない。

「分からない」「あまり考えたことがない。自分はただコートに出てプレーするだけだし、結果は後からついてくる」「私はずっとそうやってキャリアを過ごしてきた。時間について気にしたことはない」

「ただ自分にできる全力を尽くし、可能な限りベストのプレーをする。私が感じているのは、そういった旅の途中にいるということだけ」 (c)AFP