【6月21日 AFP】仏自動車大手ルノー(Renault)は20日、日産自動車(Nissan Motor)のガバナンス(企業統治)改革案で、日産側と合意に達したと発表した。改革案は両社の会長だったカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告の逮捕をめぐるスキャンダルを受けて策定されたもので、25日に日産の年次株主総会で採決にかけられる予定。ルノーは日産株の43%を保有しており、今回の合意で同案に賛成する見通しとなった。

 ルノーはこれまで、改革後の新体制で発言権が十分に与えられていないと主張し、同案を阻止すると警告。改革案を支持する代わりに委員会に同社の代表を入れるよう要求していた。

 ルノーは発表で、経営の監督を担う新委員会三つのうち二つで同社の代表に席を与えるとした日産の判断を歓迎した。

 委員会の設置は、ゴーン被告が行ったとされる不正行為の再発防止を目的としている。日産経営陣の一部からは、両社のトップとしてゴーン被告に権力が集中しすぎたとの声が上がっていた。

 ルノーに近い筋によれば、新委員会のうち指名委員会に同社のジャンドミニク・スナール(Jean-Dominique Senard)会長、監査委員会にルノーのティエリー・ボロレ(Thierry Bollore)最高経営責任者(CEO)が加わる。

 一方、報酬委員会にはルノーの代表者は入っていない。多くの日本人CEOよりも高い報酬を受け取っていたゴーン被告に対する、日本での長年の遺恨を反映したものとみられる。(c)AFP