【6月10日 AFP】女子サッカーW杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)に出場するアルゼンチン代表は10日、パルク・デ・プランス(Parc des Princes Stadium)で日本との初戦を迎えるが、12年ぶりとなる本大会での試合は困難なものになるだろう。

 アルゼンチンが本大会から離れている間、日本は2011年大会を制し、翌年のロンドン五輪と2015年のW杯で決勝に進出するなど、女子サッカー界の強豪の一つに成長した。

 アルゼンチンを率いるカルロス・ボレッロ(Carlos Borrello)監督は9日に行われた記者会見で、「彼女たち(日本)は技術面で恵まれたチームだ。とても機敏で精度が高い」と話した。「走る距離を減らすためにもボールを支配しなければならない。それができなければ、より走ることになるだろう」

「日本にとって最も重要なのはスピードやリズムの変化、すべての選手が絶え間なく動けるという点」「ボールを持った選手には、パスの選択肢が常に複数ある」「私は日本のプレースタイルが好きだ」

 2003年から2012年にかけアルゼンチンを率いたボレッロ監督は、2003年と2007年にチームをW杯に導き、2006年にはコパ・アメリカ・フェメニーナ(Copa America Femenina)で優勝を果たした。

 しかしその後、ボレッロ監督が退任するとチームは一時崩壊。ボレッロ監督が再就任した2017年当時、アルゼンチンは指揮官不在の状況が2年も続いていた。

 ボレッロ監督は「われわれは世界レベルに達するための長年の成長に欠けている」「しかしサッカーには特別な何かがあり、情熱や激情を秘めている」と話した。

 ボレッロ監督は、スペイン語で爪の意味を持ち、戦う中で諦めることを拒絶するという暗喩にあたる「ガラ(garra)」という言葉について言及しつつ、「選手たちを信頼している」と語った。「彼女たちは戦士であり、戦う」

 一方の日本は昨夏、フランスの地でU-20女子W杯(FIFA U-20 Women's World Cup)を制した。

 来年に東京五輪を控えている日本は、今回のW杯メンバーに18歳から22歳の選手を11人もそろえ、U-20W杯の優勝メンバーである南萌華(Moeka Minami)や宝田沙織(Saori Takarada)、遠藤純(Jun Endo)も名を連ねた。

 W杯に向けた強化を目的とした親善試合でオーストラリアやフランス、イングランドに敗れるなど苦しんでいるのは、そうしたことが要因なのかもしれない。

 チームに経験をもたらすであろう一人が、2011年W杯の優勝メンバーでチームキャプテンの熊谷紗希(Saki Kumagai)だ。

 オリンピック・リヨン(Olympique Lyon)で女子欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Women's Champions League)4連覇を果たしている熊谷は現在フランスでプレーしており、特別なモチベーションを持って今大会に臨む。

 熊谷は「リヨンで準決勝と決勝を戦いたい」とコメントした。

 アルゼンチンのFWソレ・ハイメス(Sole Jaimes)もリヨンのプレーヤーであり、今季のリーグ戦では5試合に出場。リーグ優勝に貢献するだけでなく、チームでは今季三つの大会すべてを制覇した。(c)AFP