【6月8日 AFP】サッカー女子日本代表の熊谷紗希(Saki Kumagai)には、W杯フランス大会(FIFA Women's World Cup 2019)の初戦を楽しみにしている特別な理由がある。フランスは自分にとって第二の故郷だからだ。

 熊谷は2013年からフランス女子1部リーグのオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)でプレーしており、先月の女子欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Women's Champions League 2018-19)決勝ではFCバルセロナ(FC Barcelona)を4-1で下しての4連覇達成に貢献し、チームは欧州の強豪になった。

 そして28歳の熊谷は現在、なでしこの目の前にある試練に思いを向けている。2011年にW杯ドイツ大会(FIFA Women's World Cup 2011)を制し、4年前のカナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)では米国に次ぐ準優勝を飾った日本は、パルク・デ・プランス(Parc des Princes)で行われる10日のアルゼンチンで大会の幕を開ける。

 熊谷は「試合が待ちきれない。W杯が行われるのはここフランスで、自分にとって第二の母国だから」とすると、決勝の舞台が所属チームの本拠地リヨン(Lyon)であることも、さらなるモチベーションになっていると付け加えた。

「自分にとってはホームゲームのようなもの。グルパマ・スタジアム(Groupama Stadium)はホームスタジアムで、それはとても良いこと」「すでにあのスタジアムでのW杯の雰囲気を想像できている。だから、あそこでプレーするのは日本だけでなく、特に私にとっては特別なものになる」

 日本は4月に敵地でフランスとの親善試合に1-3で敗れるなど、大会前の準備が思わしくない状況の中、熊谷は「もちろん、タイトルを狙っていきたいし、リヨンで準決勝と決勝を戦いたい。だけど、そこまでいくのは簡単ではない。どうなるか楽しみ」と語った。

「結果は思い通りでなくとも、準備は順調にいっている。高いレベルの相手と3月には3試合、4月にはもう2試合をこなしている」

 熊谷は前回覇者の米国をはじめ、イングランドやドイツと並ぶ今大会の優勝候補に、7日の開幕戦で韓国に4-0で大勝する幸先の良いスタートを切ったフランスを挙げた。

 2011年大会を制して母国の女子サッカーを変えた日本代表チームについて、熊谷は今回は重い責任がのしかかっているという認識を示し、「若手の女子サッカー選手のお手本になること。それにはW杯で優勝することが重要」と語った。(c)AFP