【6月6日 AFP】一家の子どもたち10人が登校中に見つけたのは、不発の迫撃砲弾だった。旧支配勢力タリバン(Taliban)と米国が支援する国軍との激しい戦争が今も続くアフガニスタンでは、ありふれた光景のはずだった──。

 しかし、それが何であるかも、どれほど危険であるかも分からず、好奇心に駆られた子どもたちは不発弾を拾い上げ、おばに見せようと持ち帰った。

 そして、それは爆発した。

 おばと子ども3人が命を落とし、一命を取り留めた7人の子どもたちも片脚、もしくは両脚を失った。

 東部ナンガルハル(Nangarhar)州ジャララバード(Jalalabad)で昨年起きたこの爆発事故は、アフガニスタン全土で人々が苦しんでいる痛ましい出来事の一端を示すものだ。この国では40年もの間、常になんらかの形で戦争状態が続いている。

 爆発で右脚を失った10歳のラビア・グール(Rabia Gul)さんは、「他の女の子たちが歩いて登校している姿を見ると、とても悲しくなる。私は彼女たちのように歩くことができない」と語った。

「両脚があった時は楽しかった、でも片脚がなくなってしまい、もうこれからの人生は楽しくない」

 国連(UN)によるとアフガニスタンでは昨年、900人以上の子どもを含む民間人3804人が死亡し、7189人が負傷。年間の民間人死者数としては過去最悪だった。

 数十年にわたる紛争により、アフガニスタンには地雷や不発の迫撃砲弾、ロケット弾や手製爆弾が散乱している。

 ラビアさんは質素な自宅の外にあるベンチに、他6人の子どもたちと座っていた。子どもたちは6歳から15歳で、失ってしまった脚の断端に布を被せ、何とか義足を装着していた。

 両脚を失った15歳のシャファキラ(Shafiqullah)さんは、「タリバンが政府と和平を結んでほしい、そうすればアフガニスタンの治安も良くなって、誰も死んだり傷ついたりしなくなる」と語った。(c)AFP/Noorullah Shirzada