■どんな人が商品を買ってくれているか

 シャンパーニュ地方ブドウ栽培・醸造業者組合(SGV)は、もっと先へ進もうとしている。

 SGVは2017年から、QRコード入りのキャップシールを提供している。このキャップシールはボトルの追跡を可能にするだけでなく、中身のシャンパンが本物であることを示す保証書の役割も果たしている。

 SGVのキャップシール事業責任者は、「QRコードをラベルやボトルに仕込むのではなくキャップシールに採用したのは、ボトルを開けるときに破れるため再使用できないから」だと説明した。

 別の担当者はキャップシールについて、ボトルの追跡だけではなく、生産者と消費者をつなげるという意味でも「革命的だ」と話す。シャンパンのボトルがどこを経由してきたかが分かり、本物であることが確かめられる上、消費者がスマートフォンを使ってQRコードをスキャンすれば、生産者と消費者が互いをよく知るきっかけにもなるという。

 仏ランス(Reims)のシャンパンメーカー「クリュッグ(Krug)」は、6年前からQRコードを活用した「IDボトル」を使用しており、ラベルのQRコードからさまざまな情報を知ることができる。

 同メーカーの当主、オリビエ・クリュッグ(Olivier Krug)氏は言う。「醸造所やそのボトルの歴史、このシャンパンの組成、生産された区画、熟成期間、飲み方のアドバイスから、組み合わせが良い料理、さらにお薦めの音楽まで書かれている」。さらにデジタル技術の活用によって、愛好家同士が出会うこともできるという。

 高級ブランドがこぞって自社製品の経験価値を高めようとしている中、どんな人々が商品を買ってくれているかを知り、顧客を自社のウェブサイトに誘導することは、マーケティング責任者が祝杯を挙げるための重要なカギになっている。(c)AFP/Dominique CHARTON