【6月1日 AFP】サッカーCAFチャンピオンズリーグ(CAF Champions League 2018-19)は31日、決勝第2戦が行われ、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が使用できない状況でウィダード・カサブランカ(Wydad Casablanca、モロッコ)が疑惑の判定に抗議し、プレー続行を拒否したことで没収試合となった。この結果、エスペランス(Esperance、チュニジア)が1-0で勝利し、2戦合計スコア2-1で連覇を果たした。

 カサブランカは59分にネットを揺らしたものの、VARが使用できない状況でゴールが認められず、プレーを拒否して90分間試合が中断した後、レフェリーがエスペランスの勝利を宣告した。チュニジアの地元メディアによると、大会関係者は試合前からVARが使用できなくなっていたのを把握していたという。

 55年の歴史を誇るアフリカ最大のサッカークラブ大会において、ホームアンドアウェー方式の決勝の試合が没収となったのは前代未聞の出来事となった。

 カサブランカはワリード・エル・カルティ(Walid el Karti)が59分に同点のヘディングシュートを決めたと確信し、テレビのリプレー映像でもオンサイドだったことが確認されたが、相手選手にファウルした可能性もあった。

 これに対してカサブランカは、しばしば物議を醸すことで知られるVARが使用できない状況であることを知らない様子で、ガンビア人レフェリーにビデオ判定を主張。

 さらに、アフリカサッカー連盟(CAF)のアフマド・アーマド(Ahmad Ahmad)会長が、両クラブの監督とピッチの横で協議を始め、試合を再開することができなくなった。

 最終的にカサブランカの選手と首脳陣がロッカールームに下がると、試合は長い中断を経てエスペランスの優勝が決まった。

 VARは前週モロッコで行われた第1戦でも、カサブランカの得点を取り消しとPKの主張を却下した。この試合で笛を吹いたエジプト人レフェリーは、CAFに「まずいパフォーマンス」を指摘され、6か月間の資格停止処分を科された。(c)AFP