【5月28日 AFP】今回の欧州議会(European Parliament)選挙では、緑の党が大躍進した。その動きを後押ししたのは地球の問題を最大の政治課題と考える若者世代だった。その先頭には、グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さん、ルイザ・ノイバウアー(Luisa Neubauer)さん、レア・ナムゲルワ(Leah Namugerwa)さんといった若い女性らが立ち、気候変動に警鐘を鳴らしているのだ。

 気候の問題は有権者にとって大きな関心事になっている。そのため、若者たち──一部はまだ投票権を持っていない──がいなかったとしても、緑の党は今回の選挙で得票率を伸ばしていたかもしれない。それでも、街頭やソーシャルネットワーク(SNS)で抗議運動を展開し、メディアにも取り上げられる若年層の活動が有権者を動かす力になったことは否めないだろう。

 欧州緑の党ユース連盟(Federation of Young European Greens)の広報担当者カトリ・イリネン(Katri Ylinen)氏は、「緑の党の選挙結果は、若者たちがストライキを起こしたことによるもの。気候変動についての運動は、特に若い女性たちの間で重要なものになってきている。欧州の選挙でこの問題を争点にしているのは若い女性たちだ」と主張する。

 スウェーデン人の環境活動家であるグレタ・トゥンベリさんは、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で温暖化対策を呼び掛け、わずか16歳で世界中に広がる運動の旗手となった。トゥンベリさんに触発された大勢の若者が各国で授業をボイコットし、気候変動対策を求める運動組織「フライデーズ・フォー・フューチャー(Fridays for Future)」の世界一斉デモに参加した。ドイツ人大学生のルイザ・ノイバウアーさん(23)もそのうちの一人だ。今では「ドイツのグレタ」とも呼ばれている。

 三つ編みがトレードマークになったトゥンベリさんは、その他の同世代の若い女性たちにも影響を与えている。ベルギーのアヌーナ・デウェーフェル(Anuna De Wever)さん(17)とキーラ・ガントワ(Kyra Gantois)さん(20)、ウガンダのレア・ナムゲルワさん(14)は数か月前からそれぞれの国で温暖化対策を求める運動の中心になっている。