【5月27日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2019)は26日、男子シングルス1回戦が行われ、世界ランキング144位のオスカー・オッテ(Oscar Otte、ドイツ)が、自身のアイドルである大会第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)との2回戦に駒を進めた。

 25歳のオッテは、今大会の予選で敗れたもののラッキールーザーとして1回戦に出場。すると訪れたチャンスをしっかりと生かしてベテランのマレク・ジャジリ(Malek Jaziri、チュニジア)を6-3、6-1、4-6、6-0で下し、四大大会(グランドスラム)で初めて初戦を突破した。

 今大会の開幕前、オッテはここ8年間のツアーでわずか1試合でしか勝利できていなかった。また、フェデラーが今年に入ってから大会で310万ドル(約3億4000万円)を稼ぎ、生涯獲得賞金で1億2360万ドル(約135億円)を記録しているのに対し、オッテが今年得た賞金は5万4000ドル(約590万円)で、キャリア通算では32万7000ドル(約3500万円)となっている。

 2回戦に進出したことで、すでに6万4000ユーロ(約785万円)を手にすることが決まっているオッテは、「私にとって大きな試合になる」「とても楽しみだ」とコメントし、「もしロジャーが自分の名前を知っていたら驚く」と付け加えた。

 一方、オッテに敗れた35歳のジャジリは、フェデラーと対戦する絶好のチャンスを失った。

 世界92位のジャジリは「知らない相手との試合に向けた準備は簡単ではない」「相手のプレースタイルが分からないから、グーグル(Google)やユーチューブ(YouTube)で検索するけど、何も出てこない」「きょうは浮き沈みが激しすぎた。自分が最も得意なフォアハンドの調子があまり良くなかったのに対し、彼はレベルを上げてきた」とコメントした。

 また、1か月前に行われたエストリル・オープン(Millennium Estoril Open 2019)を最後にけがで大会から遠ざかっていたジャジリは、2回戦でフェデラーと対戦する機会をものにできなかったことにがっかりしていると認めた。

「ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)は、チュニジアやアラブ諸国で最も見られているテニスの大会だ。この舞台でロジャーと対戦したかった」「絶好のチャンスだったが、また次があるかもしれない」 (c)AFP/Dave JAMES