【5月27日 AFP】26日に開幕を迎えた全仏オープンテニス(French Open 2019)では、長きにわたる法廷闘争の末に建設された新コート、コート・シモーヌ・マチュー(Court Simonne-Mathieu)で初めて試合が行われた。

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 四方を温室で囲まれた特徴を持つコート・シモーヌ・マチューでは、2016年大会女王のガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)とテイラー・タウンゼント(Taylor Townsend、米国)がオープニングマッチを飾り、試合後にはフランスの有名作曲家によるライブパフォーマンスが披露された。

 1938、39年大会覇者で、第2次世界大戦(World War II)中の抵抗運動で英雄的な存在にもなったシモーヌ・マチュー(Simonne Mathieu)さんの名を冠した新コートは、隣接するオートゥイユ温室庭園(Jardin des Serres d'Auteuil)の敷地内に建設されることで議論を呼んだ。

 結局、19世紀からの歴史がある植物園に悪影響を与えると主張する環境保護団体や地元住民の反対を抑えて完成した新コートは、メイン会場から少し離れた場所に位置し、周囲を緑で囲まれていることから、訪れた人がユニークな雰囲気を体感できるようになっている。

 この日、タウンゼントを5-7、6-2、6-2で下した第19シードのムグルサは、自身が最初の四大大会(グランドスラム)のトロフィーを掲げたコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)が一番のお気に入りであることに変わりはないとしながらも、新しくできたコート・シモーヌ・マチューには良い印象を受けたと話している。

「これからはシモーヌ・マチューが私にとって2番目の存在になると思う。かわいいコートだから」「まったく別の場所にある。コートにいるような感じがせず、庭園にいるみたい。新しい感覚」「別に小さいわけではないけど、こぢんまりとした感じ」

 この後に行われた試合では、男子シングルスに出場しているフランスの37歳のベテラン、ニコラ・マウー(Nicolas Mahut)が2セットダウンから前回大会4強のマルコ・チェッキナート(Marco Cecchinato、イタリア)を破り、地元のファンも盛り上がった。(c)AFP/Jed Court