【5月26日 AFP】欧米諸国の若き旅インフルエンサーたちがこぞってやってきて、パキスタンは「ピュアな国」だと褒めそやす。だが、評論家らは、これらインフルエンサーは色眼鏡を通してパキスタンを語っており、保守的で紛争の傷跡が残るこの国の不正確なイメージを売り込んでいて無責任だと警告する。

 パキスタンの治安状況は改善しており、元クリケット選手のイムラン・カーン(Imran Khan)首相は観光誘致に力を入れている。また、政府は外国人観光客のビザ(査証)発給制限を緩和したと宣伝している。

 この結果、外国から旅行ブロガーらが大挙して流れ込み、山や海の美しさ、古代インダス(Indus)文明や仏教寺院、イスラム教施設など豊かな遺産と歴史を褒めたたえている。

 食と旅のユーチューバー(YouTuber)のマーク・ウィーンズ(Mark Wiens)さんは「パキスタンへの旅は一生に一度のものだった」と、400万人のフォロワーに語り掛けた。

 また、ポーランド人ブロガーのエバ・ズベック(Eva zu Beck)さんはフォロワーに、パキスタンは「世界一の観光地になる」可能性があると語り、カナダのインフルエンサー、ロージー・ガブリエル(Rosie Gabrielle)さんは、自分がパキスタンの「真実を語りたい」とつづった。

 だが、インフルエンサーらの投稿は、観光インフラ整備の遅れや過激主義など、近代的な観光地を目指すパキスタンが直面する重大な課題を取り上げていないという懸念がある。

 ズベックさんの投稿はパキスタン当局によってシェアされ、パキスタン航空(Pakistan International Airlines)が彼女のパートナーとなっている。ガブリエルさんの3500キロに及ぶパキスタン縦断バイク旅行は、オマーンのパキスタン協会の支援があった。