【5月14日 AFP】除草剤「ラウンドアップ(Roundup)」が原因でがんを発症したとして米カリフォルニア州の夫婦が賠償を求めた訴訟で、州裁判所の陪審は13日、米農薬大手モンサント(Monsanto)に対し、約20億ドル(約2200億円)の支払いを命じる評決を下した。原告側の弁護士が明らかにした。

 モンサントの親会社のドイツ製薬大手バイエル(Bayer)にとって、ラウンドアップの発がん性をめぐる裁判での敗訴はこれで3度目となる。

 化学物質グリホサートを含む除草剤ラウンドアップについて、開発元のモンサントはがんとの関連性を否定し続けている。だがカリフォルニア州では、モンサントがラウンドアップの潜在的な危険性について十分な警告をしなかったとして、2018年と2019年に有罪判決が下っている。

 今回の裁判で原告側の弁護士は「モンサントは健全な科学に投資する代わりに有害な科学に大金を投じ、結果、彼らの事業方針を揺るがすことになった」と述べた。

 一方バイエルは声明で陪審の評決に失望したと表明し、上訴する意向を明らかにした。さらにバイエルは、米環境保護局(EPA)がグリホサートを主成分とする除草剤について最近行った審査結果と、今回の評決が食い違っていると主張。「世界の主要な保健規制当局は、グリホサートを主成分とする製品は安全に使用でき、グリホサートに発がん性はないという認識で一致している」と述べた。(c)AFP/Glenn CHAPMAN