【5月13日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)昆明(Kunming)鉄路公安局開遠(Kaiyuan)鉄路公安处はこのほど、雲南省とベトナムの国境地帯でベトナム人女性を誘拐し、中国国内への人身売買を行ってきた容疑者23人を逮捕した。雲南省の国境地帯を経由して、中国国内に人身売買されたベトナム人女性11人は解放された。

 開遠鉄路公安处河口駅(Hekou)派出所の警官が昨年2月、駅の待合室で乗客に対し所有切符に印字された情報と身分証明書情報との照合確認を行っていた時に(訳注:中国では鉄道乗車券購入の際に身分証上の実名と身分証番号の登録を求められ、乗車券にその情報が印字されている)、ある女性の切符情報と身分証明書情報が一致しないことに気が付いた。

 警官の質問に対し、女性は終始沈黙したままで、表情には緊張と不安、そして恐怖が浮かんでいた。女性に同行していた男が、焦った様子で何度も警察官の質問に口をはさみ、質問を遮った。男のおかしな挙動は、警官の注意を引いた。

 取り調べの結果、女性は河口で別の男性の妻として3万元(約48万円)で「買われた」ばかりのベトナム人であることが判明。彼女は連れていかれる途中で、中国語は話せなかった。

 昆明鉄路公安局は専門の捜査チームを作り、管轄区域の派出所に対し、駅での取り締まりを強化。容疑者と誘拐された女性を速同年10月に河南省で一連の誘拐事件のカギとなる容疑者逮捕に至った。取り調べの結果、この人物は2012〜15年の間に、同省の男性数人に雲南省のベトナム系移民を紹介した上で、ベトナム人女性を1人4万~8万元(約64万~128万円)で「購入」させていたことが判明した。

 この犯罪グループは、ベトナム人容疑者と中国国内の容疑者で構成され、誘拐したベトナム人女性を中国に入境させた上で、河南省で逮捕された容疑者の仲介により同省の未婚男性にベトナム人女性を売り渡していた。(c)CNS/JCM/AFPBB News