【5月9日 AFP】米国防総省は8日、北朝鮮と共同で行っていた米兵の遺骨収集の取り組みを一時中止したと明らかにした。ベトナムの首都ハノイでの米朝首脳会談が物別れに終わった後、遺骨の収集に関し北朝鮮からの連絡が途絶えたと説明した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の関係改善の兆しの中、北朝鮮は2018年7月、1950〜53年の朝鮮戦争(Korean War)中に北朝鮮で死亡した米兵の遺骨50柱余りを米国に返還した。

 米国防総省捕虜・行方不明者調査局(DPAA)のチャック・プリチャード(Chuck Prichard)報道官によると、2月の米朝首脳会談で北朝鮮の非核化をめぐる進展がみられなかった後、遺骨収集に関し北朝鮮からの連絡が途絶えた。

 遺骨の返還は、2018年6月にシンガポールで行われた史上初の米朝首脳会談でまとまった合意が一部履行されたことを示し、ホワイトハウス(White House)は当時、朝鮮戦争で不明になったとみられる米国人の捜索において「非常に大きな一歩」と評していた。戦争で不明となったとされる米国人は推定約7700人で、うち約5300人は北朝鮮で消息を絶ったとされている。(c)AFP