【2月21日 AFP】兵役開始を待つ身の韓国人大学生、ナムグン・ジン(Namgung Jin)さん(19)は不安に駆られている。核保有国である隣国、北朝鮮から国を守るため、約2年間軍服に身を包むのだ。両国は国際法上、現在も交戦状態にある。

 だが、ナムグンさんが入隊する3月5日はドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長がベトナムの首都ハノイで首脳会談を行う日からちょうど5日目に当たり、会談では朝鮮戦争(Korean War)の終戦が正式に宣言される可能性もあると一部で言われている。

 韓国軍60万人の大部分は徴兵制による採用だ。健康な韓国人男性のほぼ全員に国防義務が課せられる。兵役中は南北軍事境界線沿いの遠隔地へ数か月派遣されることもままある。

 しかし、平和条約締結が実現すれば、賛否両論ある韓国の徴兵制の将来は今後議論されることになるだろう。ナムグンさんのような若者の多くにとって、それはずっと前に議論されるべき問題だった。

 ソウルの大学でコンピューターサイエンスを学ぶナムグンさんは、「もし選択できるのであれば兵役には決して就きたくない」と言う。また徴兵制は「青春時代の無駄遣い」で、非常に競争の激しい韓国社会で安定した職に就くことを遅らせると嘆いた。

 さらに、「北朝鮮が敵だとは一度も思ったことはない」とも語った。

 来年入隊予定のハン・サンギュ(Han Sang-kyu)さん(18)も、北朝鮮に敵意は持っていないという。

「北と南の人々は一つの民族だといつも思ってきた。いつの日か、二つの国が統一できたらと願っている」