【5月9日 AFP】フランス政府は8日、サウジアラビアに向けて武器が新たに輸送される予定であることを認めた。フランス製武器をめぐっては、サウジ政府が仏製武器をイエメン内戦で使用していることが調査報道で明らかになっている。

 フロランス・パルリ(Florence Parly)国防相はニュース専門テレビBFMに対し、サウジ籍の貨物船が8日に仏港湾都市ルアーブル(Le Havre)に到着し、仏製武器が積み込まれる予定であると明らかにした。

 パルリ国防相は武器の種類を特定することを避ける一方、イエメン内戦に2015年から軍事介入しているサウジアラビアは仏製武器を自衛目的でしか使用していないとの政府の見解を繰り返し強調。「政府が知る限りでは、仏製武器の使用の結果イエメンで犠牲者が出たとの証拠はない」と述べた。

 調査報道機関ディスクローズ(Disclose)は先月、軍の機密情報を暴露し、仏製の戦車や大砲がイスラム教シーア派(Shiite)系の反政府武装組織フーシ派(Huthi)との戦闘に使用されていることを細部にわたり報じた。これを受け、政府に対する圧力が高まっている。

 今回新たに輸送される武器に自走砲「カエサル(CAESAR)」8両が含まれているとの情報もあるが、政府の情報筋は今週AFPに対し、今回の輸送の一部に入っていないと述べた。

 人権団体は、仏政府がイエメンでの民間人に対する戦争犯罪に関与していると非難している。イエメン内戦では約1万人が死亡、数百万人が餓死寸前まで追い込まれている。(c)AFP