【5月3日 AFP】国連人道問題調整事務所(OCHA)は1日、シリア北西部で政府軍とロシア軍による空爆が激化しており、14万人近い人々が自宅を追われて避難民となっていると発表した。

 OCHAのデービッド・スワンソン(David Swanson)氏は「2月以降、ハマ(Hama)県北部とイドリブ(Idlib)県南部で、13万8500人を超える男女と子どもが家を追われた」とAFPに説明。両県にアレッポを加えた3県では、4月1~28日だけでも3万2500人以上が避難したと語った。

 人口約300万人のイドリブ県は、シリア反体制派最後の拠点。バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領のシリア政府と同盟関係にあるロシアが昨年9月、反体制派を支援するトルコと合意に達したことで、これまで大規模な攻勢を逃れてきた。

 しかし、今年1月、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)傘下のイスラム過激派組織アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)を前身とする反体制派連合「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」がイドリブ県全域を完全掌握。以降、空爆が激化している。

 国連(UN)の先週の発表によれば、2月以降に激化した空爆で死亡した民間人は200人以上。今週はハマ県とイドリブ県南部が繰り返し爆撃され、スワンソン氏によると学校や医療施設が標的になっているという。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は1日、直近2日間の政府軍の攻撃は昨年9月のロシア・トルコ合意以降最大で、少なくとも7人の民間人が死亡したと発表した。(c)AFP