財政危機のおかげ? ギリシャで成長する地ビール産業
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■ビールよりも、ワインとウゾの文化
ギリシャといえば昔からワインやスピリッツ類が一般的で、ビールを飲む習慣があまりなかったことを考えると、地ビール醸造所の増加は意外に思えるだろう。
ギリシャではワインの消費量や輸出量が多く、ウゾやチプロといった伝統酒の需要も高い。ビールの消費量は1人当たり年間平均35リットルで、欧州連合(EU)ではフランスとイタリアに次いで3番目に少ない。
■ショウガ、ハチミツ、カルダモン
エビア島のパナギオトウ氏によれば、同醸造所のビール生産量は過去10年間で15倍に伸びた。2009年には瓶ビール8万本だったのが、今年は120万本に達する見通しだという。
ギリシャ北部の町セレス(Serres)のヤニス・マルマレリス(Yannis Marmarellis)氏の醸造所も、同じように急成長を遂げている。2014年に食肉工場を閉鎖後開業した地ビール醸造所「シリス(Siris)」では、従業員が3人から14人に増え、施設の規模は4倍になった。
製造しているビールには、クリスマスの時期の寒い夜のために、ハチミツとジンジャー、カルダモン、さらに野生のチェリーの種から作られる香りの良いスパイス「マハレブ」を加えたビールもある。原料のホップは、工場の裏にある父親の畑で栽培されているという。(c)AFP/Hélène COLLIOPOULOU