■汚染度はパリに匹敵

 論文の共同執筆者で、フランスの機能生態学・環境研究所(EcoLab)のデオニー・アラン(Deonie Allen)氏は、AFPの取材に「今回の最も重要な発見は、マイクロプラスチックが大気によって運ばれ、大都市からは遠く離れた辺境の高高度山岳地帯に堆積するということだ」と語った。「これは、マイクロプラスチックが大気汚染物質であることを意味する」

 研究チームは西欧で最も手付かずの自然が残る場所の一つと長年考えられていた地域で、微粒子濃度を個別に測定するために2種類の監視装置を使用した。

 測定場所は最も近い村でも7キロ離れており、最も近くの都市である仏南部トゥールーズ(Toulouse)からは100キロ以上の距離がある。

 大気の流れのパターンを分析した結果、一部の微粒子は少なくとも100キロ以上移動したものだと研究チームは推測した。

 風、雪、雨などで運ばれたサンプルは、標高1500メートル以上にあるベルナドゥーズ(Bernadouze)の測候所で収集された。

 分析の結果、マイクロプラスチック汚染物質の濃度がパリや中国南部の工業都市・東莞(Dongguan)などの大都市で検出される濃度と同水準であることが明らかになり、研究チームは衝撃を受けた。

 アラン氏は、AFPの取材に「今回の測定結果は、パリ首都圏に関して報告されている測定値の範囲内にあり、パリに匹敵するとみなすことができる」と説明し、「微粒子の数がこれほど多いとは予想外だった」と語った。(c)AFP/Marlowe HOOD