【4月14日 AFP】英王室のヘンリー王子(Prince Harry)とメーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)との間に誕生予定の赤ちゃんは、裕福な家庭に生まれる赤ちゃんの中でも群を抜いているだろう。そして母親のメーガン妃が米国人のため、生まれた赤ちゃんは英米の二重国籍を取得することになり、赤ちゃんの誕生を米国の税務当局が手ぐすね引いて待ち構えている。

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 英国駐在の米国人向け税務コンサルタント「American Tax Returns」の設立者、デービッド・トレイテル(David Treitel)氏によれば、両親のいずれかが米国人でその親の米国での居住歴が最低5年(うち2年は14歳以降)あれば、子どもは自動的に米国籍を得られる。そして夫妻の子どもがまさにこの条件に当てはまり、英王室では初めての例になるという。

 ヘンリー王子とメーガン妃の間に生まれる赤ちゃんは米国籍を付与されることで、米国で生まれ米国で成長し米国で一生を終える一般的な米国人と同様にさまざまな制限を受けることになる──世界のどこにいようとも毎年、内国歳入庁(IRS)に自分の税務上の扱いを明らかにする必要があるのだ。王子夫妻が自分のために開設した銀行口座の資金も、米税務当局にすべてきちんと申告しなければならない。

 王子夫妻の赤ちゃんにお祝いとして贈られる金銭価値のある品々についても、IRSは資産としての申告を求めるだろうと、トレイテル氏はいう。「例えば(エリザベス)女王が赤ちゃんへのプレゼントとして、英王室の素晴らしいコレクションからビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)やジョアン・ミロ(Joan Miro)の絵画を贈ることもあり得る。受け取った贈答品が10万ドル(約1100万円)を超える場合(税務当局に)申告する義務がある」

 メーガン妃と赤ちゃんは会計士の頭を悩ませるであろう納税申告書を提出する必要があるが、英国で支払う税金により米国に納める税金の一部は相殺される可能性があると、税務専門家のローラ・ソーンダース(Laura Saunders)氏は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)に語っている。

 王子夫妻の会計士には米税務当局向けの申告書作成という面倒な作業を回避する方法が一つある──メーガン妃が米国籍を放棄することだ。その場合でも夫妻の子どもはIRSへの納税申告を18歳まで続けなければならないという。(c)AFP/Ali BEKHTAOUI