3人のDNA用いた体外受精で女性出産 不妊治療で初、議論も ギリシャ
このニュースをシェア
【4月12日 AFP】ギリシャとスペインの合同医療チームは11日、不妊治療中の男女を含む3人のDNAを用いて男児を誕生させたと発表した。不妊の女性を妊娠・出産させる目的で3人のDNAを用いた初の体外受精(IVF)となり、医療チームは医学の「革命」と称する一方、倫理的な見地から議論も起きている。
医療チームは不妊の女性を妊娠させるため、女性の卵子、パートナー男性の精子、ドナー女性の卵子を使用。「紡錘(ぼうすい)体置換法」と呼ばれる方法を用い、遺伝物質を除去したドナー女性の卵子に不妊女性の染色体を含む遺伝物質を移植したという。
2016年にもメキシコで難病「リー脳症」を患う女性から子どもへの遺伝を避けるために類似のDNA交換技術が用いられた例はあるが、不妊治療の体外受精に同技術が使用されたのは初めて。
ギリシャの産婦人科病院「インスティテュート・オブ・ライフ(Institute of Life)」によると、出産したのは32歳のギリシャ人女性で、生まれた男児は体重2960グラム。女性はこれまで何度かIVFを試みたものの、妊娠には至らなかったという。(c)AFP/Chantal VALERY