「夢は祖国の分裂」、天安門事件の詩で投獄の中国人亡命作家が語る
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■祖国について「非常に悲観」
習近平(Xi Jinping)国家主席の権威主義的支配が強まる祖国については、「非常に悲観している」と廖氏は言う。
「30年前、私たちは(中国は)民主化に向かっていくかもしれないと考えた。だが今は金もうけのことばかりだ。「(天安門で)大虐殺が起きた後に中国を非難した欧米諸国が今では皆、あのときの死刑執行人たちと商売するため、互いに争っている。市民の逮捕と殺害は今も続いているにもかかわらずだ」
廖氏は、習主席の娘や、中国共産党指導部の子女が米ハーバード大学(Harvard University)に留学していることを皮肉り、「良心の呵責(かしゃく)がある人々は脇に追いやられ、党を批判せずに金もうけをしている人々はやりたい放題だ」と話す。
だが、天安門事件は中国の近代史において大きなターニングポイントとなったと廖氏は主張。「私にとって、全国民にとって、大変動となる瞬間だった」
人権団体は、北京を取り囲むために人民解放軍の兵士20万人が動員された後で犠牲になった人々の数は2600~3000人と推計。また2017年に機密指定を解除された英国の外交公電では当初で、死者は1万人前後に上ると推測されていたことが明らかになった。
このとき、人民解放軍の戦車の前に立ちはだかり、平和的な抗議活動のシンボルとなった若い男性について廖氏は、「今も彼の名前も、その運命も分かっていない」と述べた。
「中国では、あの大虐殺のことを口にできない。タブーとされている。私は何とかして、あのときに起きた真実をできるだけ多くの人に知ってもらおうとしている」 (c)AFP/Alain JEAN-ROBERT