【3月31日 AFP】フランス・リーグ1のトゥールーズ(Toulouse FC)に今冬加入した日本代表DFの昌子源(Gen Shoji)が、31日のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)戦へ向けた意気込みを語った。かつて国際大会の舞台でクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)と対戦したこともある昌子は、今度はその経験も生かしながら、W杯ロシア大会(2018 World Cup)優勝メンバーのキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)という、別のワールドクラスを抑えたいと考えている。

 トゥールーズがリーグの絶対的な王者であるPSGに挑む中、昌子は今最も将来有望な選手であるエムバペの封殺を狙う。Jリーグ1部(J1)の鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)在籍時代の2016年、クラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)でレアルと対戦した昌子は、ロナウドにハットトリックを許す悔しさを味わった。

 昌子は「鹿島では、チームとしてロナウドを抑えるという考え方だった。だけどフランスでは1対1の勝負が重視されると感じるし、それに順応しながら、エムバペや他の選手に対応していかないといけない」「ロナウドとエムバペを比べるには、両方と対戦してみないと分からない。試合をすればもっと考えがまとまると思うが、難しい戦いになる」とコメントした。

 昌子はプロ入りからずっと過ごしてきた鹿島を離れ、リーグ1中位への定着を目指すトゥールーズに貢献している。「新しい経験がしたかった」と話す昌子は、日本とはまったく異なるフランスの文化に早くなじむ必要性を感じながら「こちらでは遠慮していたらやっていけない。日本では少し控えめでも周りが気遣ってくれた。こっちでは自分から動かなかったら誰も気にしてはくれない」と話している。

 トゥールーズに溶け込む助けになるようにと、クラブはオリンピック・リヨン(Olympique Lyon)やPSGの女子チームで働いた経験を持つ太田徹(Toru Ota)氏を通訳として手配した。太田氏は控室で通訳を務めるだけでなく、ベンチにも入って監督からの戦術的な指示を伝達する。

 フランス語の家庭教師もつける予定だとのことで、アラン・カサノヴァ(Alain Casanova)監督は昌子について「彼はとてものみ込みが早い。良い買い物だった」と話している。

 一方の昌子は、技術面では「Jリーグの方が多分優れている」と信じつつ、「スピードやフィジカルではリーグ1の方が勝っている」「フランスサッカーのクオリティーにはとても驚いた」と新天地の印象を語っている。

 まだフランスに来て間もない昌子だが、すでにリーグの洗礼は味わっており、特にリヨンに1-5で大敗した試合は悔しさが大きかった。昌子は「鹿島にいたときは、僕らは勝つのが当たり前だった。だけど間違った選択をしたとはまったく思っていない。こういうチームとしての難しさはこれまで経験がなかったことだけど、今はそれを味わうのが大切だと思っている」と話した。

 カサノヴァ監督も、昌子のフランスでの成功に自信を持っている。新加入の昌子の助けになればと、片言の日本語を学んだとのことで、「基本的なあいさつは覚えたよ。コンニチワとサヨウナラだ」と話してくれた。(c)AFP/Remy ZAKA