【3月25日 AFP】ドイツ第2位の富豪一族とされているライマン(Reimann)家が第2次世界大戦(World War II)中、ナチス・ドイツ(Nazi)に協力し、運営会社で強制労働をさせていたと認め、1000万ユーロ(約12億4000万円)を慈善団体に寄付する意向を明らかにした。

 ライマン家の広報担当が独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)に語った話などによると、一家の故アルバート・ライマン・シニア(Albert Reimann Sr.)は早ければ1931年にナチス親衛隊(SS)に寄付を行っており、存命ならば息子の故アルバート・ライマン・ジュニア(Albert Reimann Jr.)と共に有罪判決が下されて投獄されていただろうという。

 アルバート・ライマン・シニアの会社はドイツ国防軍や軍事産業向けの製品を扱っていたため、1941年には戦時における重要企業とみなされ、1943年には最大で175人を強制的に働かせていた。また、労働者を過酷に扱うことで知られた現場監督も雇っていたという。

 アルバート・ライマン・シニアは1954年に、アルバート・ライマン・ジュニアは1984年に死亡している。

 2人が残した会社、JABホールディング(JAB Holding)は今では「クレアラシル(Clearasil)」や「カルゴン(Calgon)」といった有名ブランドを所有する一大企業で、ライマン家の資産は推定330億ユーロ(約4兆1000億円)ともいわれている。(c)AFP