【11月1日 AFP】日本のアイドルグループ「欅坂46(Keyakizaka46)」が、10月に開催されたハロウィーンコンサートで着用していたミリタリー調の衣装について、ナチス・ドイツ(Nazi)の軍服に似ているという批判が集まり、物議を醸している。

 問題となっている衣装は、10月22日に横浜で行われたコンサートで使われたもので、黒のワンピースとマントに加え、帽子には、ナチス・ドイツの国章でかぎ十字の上に描かれていたクロワシに似た金色の鳥の飾りが付いていた。

 公演後には、ソーシャルメディアがこの衣装の話題で炎上。ツイッター(Twitter)では、このような衣装を選んだことについて「許し難い」、「容認できない」という声が上がっている。

 ドイツの首都ベルリン(Berlin)在住の日本人作家、六草いちか(Ichika Rokuso)氏は、「終戦から71年がたちましたが、家族や友人など大切な人の命を奪われた遺族はまだ大勢いらっしゃいます。日本にも。その方々にとっては過ぎたこと、昔の話ではないのです。気付いてあげてくださいね」と諭した。

 また、この衣装を着たメンバーの画像とナチスの軍服を並べた写真を掲載し、怒りの声を上げるツイートも相次いだ。バンドによる売名企画と受け止めたあるユーザーは、「衝撃的なマーケティングだ」と憤りを示した。本件に関し、グループ側からのコメントは出されていない。

 日本の音楽グループがこうした問題を引き起こしたのは今回が初めてではない。ロックバンド「氣志團(Kishidan)」が着用した衣装がナチスの制服に似ていたとして、米国を拠点とするユダヤ人権利擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center)」が謝罪を要求したこともあった。(c)AFP