【3月20日 AFP】2018-19アルペンスキーW杯で歴代最多8年連続の総合優勝を果たしたマルセル・ヒルシャー(Marcel Hirscher、オーストリア)は19日、引退するかどうかの決断は「比較的すぐに」下すと明かした。

 この日、オーストリア・ウィーンで記者会見に臨んだヒルシャーは、シーズンが終了を迎えた中で「ものすごい疲労感」を覚えていると明かし、どれだけ早く回復できるか反応を見たいと述べた。

「W杯に参戦してから10年がたった。夏に向けてどのような気持ちになっているか、そしてシーズンを戦い抜くことが身体的、精神的に可能かどうか様子を見たい」「自分が30歳であることをしっかりと自覚している。もう18歳じゃない…。総合優勝争いをしたい。そのためには、本当に100パーセントの状態で臨まなければならない」

 今季も力強いシーズンを送ったヒルシャーだったが、種目別優勝を決めて迎えた回転の最終戦ではトップ10入りを逃し、すべてのレースで勝利するのは当たり前ではないことに気づかされたという。

 現在の心境については「49対51」とコメントしたが、引退と現役続行のどちらに傾いているのかは明かさなかった。昨年10月には息子が誕生したなかで、ここ1年は引退に関する話を頻繁に口にし、より多くの時間を家族と過ごしたいと明かしたこともあった。

 これまでヒルシャーは、歴代最多のW杯86勝を挙げたインゲマル・ステンマルク(Ingemar Stenmark、スウェーデン)氏に次ぐ67勝をマークしており、表彰台獲得は138回を数える。また、昨年の平昌冬季五輪では2つの金メダルを手にしており、回転で銀メダルを獲得した4年前のソチ冬季五輪を上回る成績を残した。

 世界選手権(FIS Alpine World Ski Championships)でも7度の種目別優勝を果たし、母国オーストリアで最も人気がある男子スポーツ選手の一人として敬意を払われている。(c)AFP