【3月3日 AFP】サッカーの規則作成を行う国際サッカー評議会(IFAB)は2日、来シーズンからの規則変更を発表し、ハンドが今後は「故意」ではない場合も反則を取られるようになることなどを明かした。

 IFABは2日に英アバディーン(Aberdeen)で会合を開き、ハンドをめぐる微妙な判定をなくすため、その定義に関してここ数十年で最大のルール変更を行うことを承認した。

 これまで、ハンドは「意図的な行為」である必要があったが、来季からは偶然手に当たった場合も反則を取られる。IFABは「(仮に偶然でも)手/腕に当たって直接決まったゴール、または(偶然でも)手/腕でボールを保持/コントロールした後に得点を決める、もしくは得点機会をつくり出す行為は、今後は認められない」と述べた。

 2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)以後、サッカー界ではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の普及が進んでいるが、ハンドに関してはルール上の定義や、審判によって判定にばらつきがあることが監督や選手から批判を浴びていた。

 すでに今季のイングランド・プレミアリーグでも、ウォルバーハンプトン・ワンダラーズ(Wolverhampton Wanderers)と王者マンチェスター・シティ(Manchester City)の試合で、ウルブスのウィリー・ボリー(Willy Boly)が故意ではないにせよ明らかに手でゴールを決め、シティが勝ち点2を落とすという出来事があった。

 逆にシティはルールの恩恵も受けており、先日のアーセナル(Arsenal)戦では、ハットトリックを決めたセルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)のゴールの中にハンドが疑われるものがあった。

 IFABは他にもいくつかのルール変更を発表しており、交代でピッチを後にする選手は一番近いラインから外へ出ることが義務づけられるようになった。また、チームスタッフの問題行為に対してもイエローカードやレッドカードが出されるようになり、自陣ペナルティーエリア内からのGKとFKでは、蹴り出されたボールをエリア内の味方が直接触ってもいいことになった。FKに関しても、攻撃側の選手は壁から少なくとも1メートル離れて立たなくてはならないことが決まった。(c)AFP