【11月16日 AFP】イングランド・プレミアリーグは15日、2019-20シーズンからビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)を導入することで各クラブが「基本合意」に至ったと発表した。

 この日の会議に出席したプレミアリーグの全20クラブに対しては、今季のFAカップ(FA Cup)とフットボールリーグカップ(England Football League Cup)で導入されているVARの運用に関する重要な情報などが共有された。

 VARが導入されたW杯ロシア大会(2018 World Cup)では計335件がチェック対象となったており、欧州ではすでにこの技術が稼働しているリーグもある。

 プレミアリーグのVAR導入は、国際サッカー評議会(IFAB)と国際サッカー連盟(FIFA)の承認を得て正式に決まる。

 プレミアリーグは「複数の試合が同時に行われる土曜日の午後に重点的なテストを行う」として、今季の残りの試合で試験プログラムを継続すると発表している。なお、スタジアムのファンにどういった形でVARの判断が伝えられるかは「明確な規定」を定めてから発表される。

 プレミアリーグで審判を務めたマーク・ハルシー(Mark Halsey)氏は、BBCラジオ5ライブ(BBC Radio Five Live)で「良いことだと思う。多くの人が反対しているのは承知しているが、私たちはこれを受け入れて前に進まなければならない」としてVAR導入の決定を支持した。

「今季も数多くの誤審を目にしているし、特に前節では取り消されてはいけないゴールがいくつも無効となった」

 今年4月にプレミアリーグは2018-19シーズンからのVAR導入を否決したが、監督や選手からは導入を求める声が強くなっていた。

 10日のワトフォード(Watford FC)戦でオフサイドだったとして得点が取り消されたサウサンプトン(Southampton FC)のFWチャーリー・オースティン(Charlie Austin)は、この判定を「ジョーク」と非難してVARの導入を求めた。

 前節ではまた、解任されたフラム(Fulham)のスラビサ・ヨカノビッチ(Slavisa Jokanovic)前監督がアレクサンダル・ミトロビッチ(Aleksandar Mitrovic)のゴールが取り消されたオフサイドの判定に激怒している。(c)AFP