【2月27日 AFP】引退後の生活を安上がりに送りたい米国人の間で、新しいアイデアが話題を呼んでいる。コストのかかる老人ホームよりも、ビジネスホテルのホリデイ・イン(Holiday Inn)で過ごす老後を提案したSNS投稿だ。

 米テキサス州ヒューストン(Houston)に暮らすテリー・ロビソン(Terry Robison)さんが3週間前、フェイスブック(Facebook)に投稿したアイデアは、11万3000人以上のユーザーにシェアされた。

 ロビソンさんは、無料の朝食付きのホリデイ・インに老後を頼る暮らし方について、かなり詳しく提案した。「長期滞在プランの割引と高齢者割引を併用すれば、一泊59ドル23セント(約6500円)」「彼らはあなたを患者としてではなく、宿泊客として扱ってくれるだろう」「ハワイを見たい?ホリデイ・インならハワイにもある」

「(ホテルだったら)メイドが来て無事かどうか確認してくれる。もし調子が悪ければ救急車を呼んでくれるし、葬儀屋だって手配してくれるだろう」

 ロビソンさんのアイデアが反響を呼んだ背景には、引退後の生活にかかる費用の急増がある。米ニュース専門放送局CNBCによれば、訓練を受けた医療スタッフがいる中級程度の介護福祉施設にかかる費用は、10万ドル(約1100万円)を超えるという。

 CNBCは、現在ベビーブーム世代が毎日およそ1万人のペースで引退しており、競争が激しいということも、コストがかかる理由の一つだと指摘している。

 ロビソンさんにこの計画を真剣に検討しているのかどうかAFPが尋ねると、「ユーモアのつもりだけど、決して冗談ではない。確かに選択肢の一つとして考えているが、ホリデイ・インではないかもしれない」との答えが返ってきた。(c)AFP